インタークラブ・ヒストリックカーレース

2005年10月30日 筑波サーキット場

1990 CAMARO IROC-Z

ENGINE  :GM ZZ383EFI
TRANS :TREMEC TKO 5 speed
REAREND :Aubum Posi Race, Tom's Axle3.42
BRAKE  :Front/Baer13.5 Rear/Stock

今回は10月30日に行われたポストヒストリックカップのレポートです。

エビスサーキットでのテスト後、カマロIROC-Zはクーリング対策の改良を
施し、メンテナンスされていた。

そのエビスでのテストは比較的、好調だったため、
自分的にも不安感がなく、
今回は優勝狙いでサーキット入りした。
ライバルであるコルベットC5の小島氏、山本氏、
またBMWの本田氏からは無言のプレッシャーがかかる。お互い手の内を見せないようだ。
皆最終戦ということもあり優勝を狙っている。
いつものように準備をし、予選を迎えた。

【予選】
前回は練習走行をしてからの予選だったが、今回は練習走行なしですぐに予選だった。
タイヤ的にもクルマ的にもタイムが出やすいのは3〜4周目のため、気合をいれ、走ることにした。
気合いれすぎると自分自身にプレッシャーがかかるから嫌いだけど。

1周目、タイヤをあたため、ミッションの入り具合など確認しながら、徐々にペースをあげる。

前車は1周目からかなりのハイペースだ。逆にそのほうが、前との差があき、クリアラップもとりやすい。
後続車は自分よりも遅いペースのクルマなので抜かれることはないだろう。
そう思いながらダンロップコーナーを曲がると、目の前が白煙につつまれていた。
「だれかスピン?」
と思ったが、どうやら前クラスのオイル処理のためにまかれたものが舞っていた。

見事にライン上にオイルがあり、タイムが出しづらいことはすぐにわかった。
予選終了間際にタイムアップするクルマがいるかもしれない、と思ったが、
とりあえずタイムの出やすい時期にタイムを出し、1度ピットインをして、
再度タイムアタックをする作戦にした。

2周目には白煙は舞わなくなったが路面状況はたいして変わらず。
とりあえず1発タイムは出しておかないとまずいと思い、3周目にアタック。

路面が悪い中で1分5秒47が出た。路面が改善されるまで待つため、1度ピットイン。

ピットアウト後、ダンロップコーナー先のオイルは見えなくなったが路面は相変わらず悪い。
これならまわりもタイムアップしないだろうと思った矢先、電光掲示板の自分の順位が下がっていることに気づく。
タイムアップしないとまずい!と思い、走行。
が、なぜかペースがあがらない。1分5秒5はでるのだが、なかなかその先のタイムが出ない。
タイヤは徐々にヒートしていき、デフの温度も徐々にあがりだした。
その後も1分5秒5はでるがタイムは更新されず、最後の最後にコルベットに抜かれ順位は4番手まで落ちてしまった。

予選1位 スーパーセブン
予選2位 本田氏BMW
予選3位 山本氏コルベット
予選4位 プライムワークス IROC−Z 本間

予選終了後、皆で打合せ。
クルマがすごいアンダー傾向で曲がりづらいこと、
また立ち上がりでデフがすべる、ということを伝えた。

当初は立ち上がりのデフのすべりはリアタイヤの空転と思い、リアの車高を下げて欲しい、
と頼んだのだが、結局原因はデフとわかり、リアの車高はさげなかった。
アンダー傾向を解消するためリアのスタビを少し硬くした。
このセッティング変更は良くなるか悪くなるかは走ってみなければわからない。

でも、最終コーナーでのプッシングアンダーは解消されなければ前者を抜くことができない。
狭い筑波で抜きやすいのは1コーナーであるから、やるしかなかった。
セッティング外してもなんとかなる、って思いもあったし。

タイム的には1分4秒台を目指していたためちょっとがっくりきた。
そのタイムを狙っていた倉鹿野社長は、もっとがっかりしたと思う。申し訳ないです。

路面状況も悪かったのもあるがタイムが伸びなかったこと、
予選上位は4秒台に入っていること、など不安要素があった。

予選が良すぎると気分が良くなりすぎて決勝ミスるし、
予選4位のほうが気楽だ、思い直し前向きに考えるようにした。

【決勝】
前回のスタートミスは絶対しないよう、それだけを注意してレースに挑んだ。

予選4位のグリッドはアウト側。アウト側はレコードラインのため、イン側に比べれば路面も良い。
またスタートで抜かれても1台ぐらいであれば普通に抜き返す自身はあった。
シグナルが消えレースはスタート。

今回は集中してたためうまくいった。ホントほっとした。
スタートしてしまえばこっちのもん!
しかもうまくいきすぎ、予選3位のコルベットをスタートで抜くことができた。
しかし、ポルシェに抜かれたため、1コーナーを抜けたときは
結局4位のままであった。

コルベットはタイムは速くても抜くことができないだろうから、
スタートで抜いたのはかなりラッキーだった。

そう思いながらダンロップコーナーを曲がろうとすると、クルマがひどいアンダーになっていた。
どうやらセッティングを外したらしい。

ん〜、まずい。抜かれるな、これ。

と思った頃、裏ストレートでコルベットに並ばれてしまう。
ヘアピンの立ち上がりの初速は前から速いのは知っていたが、今回はさらに速くなっていた。

僕も意地があるからここで抜かれたくないと思い、けん制しながら並走。

最高速では同等の速度が出ているのは知っていたし、
最終コーナーのブレーキング競争で負ける気はしなかったので、
不利なアウト側のラインで並んだまま最終コーナーへ。

ここで相手が引いてくれればもう少しこのポジションをキープできる。
さすがにヘアピンからの立ちあがりの速度を見ると、抑えることが一瞬できても
結局抜かれることはわかっていた。セッティングも外していたし・・。

最終コーナーでコルベットのラインはふさがず並走。
ちょっとでもミスればコンクリートとキスしてしまう。

あきらめて!1度引いて!

と思ったが、コルベットも引かず2台はそのまま1コーナーへ。

ここでもブレーキング競争は負ける気はしないのでぎりぎり奥までブレーキを我慢。

それでも真横にコルベットいるし、ちょっとミスしたら当る位置。
自分はブロックするつもりないけど相手がブレーキロックしたらぶつかる、

と思ったとき、それは現実になった。

ブレーキがロックする音が聞こえた瞬間、接触。
相手のフロントバンパーとクルマの右側が接触し押されてしまう。
クルマの荷重が不安定な状態で接触したため、ハーフスピン状態に。
やばい止まってしまう、まずい!

ここで止まるわけにはいかない。コルベットに仕返ししなきゃと、
なんとか意地で体勢を立て直す。

当てられたらやりかえしたくなる性格の僕はキレた。
絶対やり返す!追い抜く!と決め、前4台を追いかけ始めた。

後続のクルマはストレート1本分近く1周目で離れていたため、後ろを気にせず追いかけることができた。

が、やはり前の4台は速い。少しずつ離され始めている。

タイムも1分5秒台でラップしているのに離れていく。

ここであきらめてしまうわけにはいかない。レースは何があるかわからない。
接触もありえる。その隙に抜ければ。

7周目、上位4台が団子状態でやりあっている最中、スーパーセブンがミスをしたため、追いつく。

カマロとスーパーセブンではコーナーの速度が違う。
抜いても抜き返されるのはわかっていたが、最終コーナーのブレーキを少し遅らせ、
むりくりスーパーセブンの横に並んだ。
ここで抜けばプレッシャーをかけることができる。

なんとか横にならべたがブレーキを遅らせすぎたため、クルマが不安定になるシフトチェンジを行えなかった。
それもあってかやはりホームストレートで抜き返されてしまう。

「後ろに俺はいるよ〜プレッシャー作戦」は成功した、
と思ったが、逆にペースをあげられてしまった。

その頃クルマも徐々にペースがあがらなくなってきた。タイムも1分6秒台前半になってきた。
タイヤもタレだし、デフの温度も高くなっている。ギアも3速が入りづらくなってきていた。
特に最終コーナーは曲がりづらくなってきていた。

10周目、最終コーナーでBMWが失速。
順位をひとつあげるが、抜いた際に前との差がついてしまった。

結局そのままの差、順位でゴール。総合4位であった。

が、ポルシェ、スーパーセブンがフライングを取られ、結果、総合2位、クラス2位であった。
う〜ん、ラッキー。

今回のレースを振り返って、結果オーライ的な感じ(?)

でも、今回は優勝するためにやってきていたから勝てなかったことはとてもつらかった。

すんません勝てなくて。

クルマのほうはクーリング対策、エンジンのパワーアップ等完璧でした。
4月のときのカマロIROC−Zとは別もののようでした。

今回のレースをもって僕が乗ることは終り。というかちょっと休憩。
来年何かのレース等はお手伝いにきます。おかえしします。
サーキット走行会などではお客さんの方々にレクチャーとかできればいいな、って思っています。

4月にポストヒストリックカップの参戦計画を倉鹿野社長より告げられ、半年。

長いようで、あっという間のようで。

みんなで同じ方向、同じ目標に向かってレースをしてたのでとても楽しかったです。
今年レースをしない予定だった僕にとって、とても良い、楽しい、1年になりました。

倉鹿野社長、内藤さん、宮本てっちゃん、
応援に来てくれた、藤井さん、堺さん、高田さん、そのほかの方々、
みなさんホントにホントにありがとうございました。

本間 健介

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