バルブシール交換

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朝一エンジンをかけた時に、マフラーから白い煙がボワッと一瞬出るのはバルブシールがへたってきている症状です。
故障と見るのではなく、ゴムのシールですので、ラジエターのサイドタンクプラスチックや、
ウェザーストリップ、サスペンションブッシュなどと同様に年数が経過していれば硬化してシールの役目が低下すると言うことです。
そのまま使用していると、バルブやピストンにカーボンが堆積してパワーの低下、エンジン内部の消耗につながりますので、早めに対処した方が良いです。
この車もまさに同じ症状だったので、バルブシールを交換することにしました。

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作業的にはバルブカバーを外すのが第一です。
左バンクはオルタネーターを外すくらいで簡単に外れます。
右バンクはAIRのバルブユニットや、
AIRのワンウェイバルブなどが邪魔になるので外します。
バルブカバーを外します。
センターボルトのカバーはトルクス4本で締まっています。

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カバーを外すとロッカーアーム、バルブスプリングが見えます。
ガスケットは古ければ交換した方が良いでしょう。
スパークプラグを8本外します。

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1気筒ずつ作業しますので、ロッカーアームを2個(IN,EX)外し、
プッシュロッドも抜きます。
同じところ、同じ向きに戻せる様に整理して置いておきます。

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スプリングだけになりました。

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ここで登場するのがバルブスプリングコンプレッサーです。
ロッカースタッドに付けてスプリングを押し込むツールです。
無理矢理スプリングを縮め過ぎると、ロッカースタッドが曲がりますので注意。

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ツールをセットしたらプラグ穴からエアを入れておきます。
これはバルブがシリンダーに落ちないようにする為です。
コンプレッサーのエアは10kg/cm3ほどあり高すぎるので2~3kgまで減圧しています。

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ツールでリテーナを押し下げます。
リテーナーは少し衝撃を与えないとバルブごと下がってしまうので注意です。
リテーナが下がったらコッターを取り外し、スプリングが外れます。

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外れた状態です。本来1本ずつ行いますがわかりやすいように両方外してみました。手前が排気で奥が吸入です。
排気側は排気ガスが少し上がってきていたのか、黒いスラッジが溜まっていました。
このくらいの年式の排気側ガイドには元々バルブシールはありません。
ガイド上端をテーパーにカットしてオイルを逃がしているだけです。
排気側は負圧にはならないのでこれで十分なのでしょう。
吸入側は常に負圧が掛かっているので、シールがなかったらオイルをどんどん吸ってしまいます。

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ステムの上の方にある黒いリングも一応バルブシールです。
コッターの隙間を塞いでオイルが下りてこないようにしてあります。
ガイド周りのスラッジを掃除して、ガイドのガタをチェックしたら、シールを打ち込みます。
ステムにはカバーをしてシールに傷が付かないようにしておきます。

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シールに軽くオイルを塗って押し込み、
ちょうど良い筒で軽く叩けばガイドにはまります。
LT1以降のエンジンは全てにステムシールが付いています。
排気側にもシールを付けてあげます。

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後はスプリングを戻すのですが、吸入側のステムにはO-リングシールを付けます。
オイルを軽く塗って2段目の溝にはめ、コッターを付けてリテーナをセットします。
排気側はあえて付けません。
あまりオイルを制限するとステムの焼き付きが心配な為です。

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1気筒完成です。後7気筒分がんばります。
7番、8番辺りは狭くて辛いかもしれません。

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バルブ調整を最後に行います。 方法は色々とあると思いますが、一番確実なのは隣のバルブが全開の時、反対側のバルブは調整可能とゆうやり方。 例えば1番シリンダの排気側バルブがいっぱいに開いている時は1番シリンダの吸入側のバルブは閉じている状態なので調整可能と。 でも時間が掛かるので私は1気筒ずつ(2本ずつ)圧縮上死点を出してやります。

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調整具合(プレロード)はゼロラッシュから3/4回転締め込んで行いました。 このプレロードにも色々な考え方がありますが、 ストックエンジンではこの辺りで良いと思います。 ゼロを出すにはプッシュロッドを指でくるくる回してやるとわかりやすいと思います。

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バルブカバーガスケット(ラバーシール)も交換します。 バルブカバーを取り付けして、オルタネーター等、 外した部品を元に戻して終了です。