インタークラブ・ヒストリックカーレース

2005年06月19日 筑波サーキット場

1990 CAMARO IROC-Z

ENGINE  :GM ZZ383EFI
TRANS :TREMEC TKO 5 speed
REAREND :Aubum Posi Race, Tom's Axle3.42
BRAKE  :Front/Baer13.5 Rear/Stock

MOVE 画像になります↓↓
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□6月19日 ポストヒストリックカップレースリポート


はじめまして。今回ドライバーとして参加いたしました本間 健介です。
レーサーを目指していましたが、数年前断念しました。今は都内でサラリーマンをやりながら趣味としてカートに乗っています。
プライムワークスの倉鹿野社長とは数年前、カートのサーキットで知り合いました。普段のアシはオペルで、アメ車に乗っているというわけではない僕がなぜ今回のポストヒストリックカップのレース参加したのかというと・・・・。

さかのぼること4月下旬。一本の電話から始まりました。

倉鹿野社長「アメ車のレースでない??」ん?なぜ僕?
倉鹿野社長「ホントは自分が出たいんだけど、その日はカートのレースがあってさぁ」

ん?おもしろそう。でも、僕なんかより若い選手はごろごろいる・・・。負けるのはつらいし、恥ずかしい・・・・・・・・。

本間「ちょっと、今回は・・・。もう4輪ほとんど乗ってないですし・・・。」
倉鹿野「そっか。まだ時間あるから考えておいて」そのときはなんとか切り抜け・・・。

後日、カートのサーキットにて2度目のオファー。缶ビールの賄賂により買収されてしまいました。
僕は安いオトコです。その日より、毎週打合せのためプライムワークスに通う日々が始まりました。
レースをするうえでメカニックとのコミュニケーションは一番重要だと僕は考えているからです。どんなことでもいいので話す時間を作ってもらい、行ける日は毎日のように通いました。カートのサーキットでは何度か話をしたことがありますが、実際チームとして行動したことはなかったもので・・・。みんなといろいと話をし、今回の目標として、アメ車で一番をとる。
欲を言えば総合優勝。これを目標にしました。
今回乗るカマロとライバルの中でもアメ車のライバルであるコルベットは車体の違いにより性能の差があるとの事。クルマの知識が無い僕にはC5(コルベット)の違いなど関係なし!同じクラスのクルマだから絶対負けたくない!という気持ちでした。
レースに出ることが決まった(決めた?)のが1ヶ月前。
その間に筑波サーキットで2度、テストをさせてもらいました。
カマロには乗ったことはなかったので様子をみながら徐々にペースをあげていきましたクルマの動きとしては、高速コーナーなどでは、クルマ全体が横に流れてしまい、アクセルを踏むタイミングが遅くなることや、小さいコーナー(ヘアピン)などのたちあがりではリアがスライドしてしまうこと、クルマが重いからかなぁ〜、って感じです。

  エンジンに関しては申し分ないエンジンでした。
リアのトラクションを稼ぐ方向でクルマをセッティングすれば解決するとは思うんですが、そんな時間がないまま、レースを迎えることになりました。
レースまでのわずかな時間の中、プライムワークスのスタッフのみなさんはエンジンのリチェックやリアのトラションを増やすためのウィングなど取り付けをしてくれてました。
また今回のレースには新品タイヤを使うことになりました。

倉鹿野社長いわく・・・・。「新品タイヤならタイムは1.5秒から2秒縮まるよ!」

え!そんなにタイムが縮まるの??!
う〜ん。
タイムが縮まらなかったらドライバーの責任と言われてもおかしくないなぁ〜
そんなプレッシャーを感じつつレース当日を迎えました。


  朝一で行われた練習走行。

タイヤが新品なのでスピンなどをせず、時間内いっぱいに走ること。
またさまざまなクラスの混走のため、接触など起こさないこと、などを気をつけ走りました。

まぁドライバーとして当然のことなんですが・・・・。
走り出すと・・・・・、クルマの動きがまるで違う!苦手な高速コーナーが速い!ヘアピンの立ち上がりの加速が違う!

 Sタイヤの新品は縦の剛性がよく、ブレーキの制動や立ち上がりの蹴りだし感がまるで違い、ストレスなく、走行できました。
また、エンジンのセッティングもばっちりで2000rpmから3000rpmまでスムーズにまわり、
アクセルコントロールもしやすくなりました。エンジンのレスポンスもクルマの動きを良くする理由かもしれません。

さまざまなクラスのクルマが走行していたため、クリアラップもとれず、途中赤旗が出たりもした荒れた練習走行だったためタイム的にはよくなかったのですが、フィーリングとしては良い感じがつかめました。

ちょっと気分が良くなり予選を迎えることができました。

予選は15分の間でタイムを競う一般的な予選です。
筑波のような小さいコースで前車を追い抜くことは非常に難しいため、予選の順位がとても重要だと思います。
まわりとのタイムを比較しやすくするため、また前方にクルマがいたほうが速く走れるので、予選の出走順をライバルのポルシェの後ろにつき、出走を待ちます。
予選が始まり、公式練習のフィーリングを維持しながら少しずつペースを上げました。
2周目に目標の1分6秒台がでたので2度目のアタックにそなえ、ピットイン。
タイヤ、エンジンを冷やしその後、再アタックをしましたが、タイムを更新することはできませんでした。

予選の結果は3位でした。アメ車トップ。
目標の1分5秒台には届きませんでしたが、さらに気分がよくなり、冗舌のまま決勝を迎えます。
決勝のグリットはイン側の2列目。スタートでなんとか2番手にあがれれば・・・・。
と、思いながらスタート。見事にスタートミス。1台抜かれ、2台抜かれ・・・・・。
やっと1コーナーについたときにはイン側からもう1台抜かれました。
結局ホームストレートに戻ってきたときには3台のクルマに抜かれてました。
目の前にはスーパーセブン、ポルシェ、コルベットC5×2台BMWです。
が、僕にも意地があります。なんとか1コーナーで前のBMW M3を抜き、同じアメ車であるコルベットを追いかけました。数周すると水温と油温が徐々にあがりはじめました。前のクルマに近づきすぎていたためです。早く抜いて前のクルマを追いかけたいのですが、各コーナーの立ちがりで離されて、コーナーの進入ではブロック、といった形でなかなか抜けません。

水温、油温のことも考え、前のクルマとの距離をとることにより、エンジンに風が入るようにしたいのですが、後ろからはBMWがいつでも抜けそうな勢いでせまってきます。

なんとか前のミスを待ちながら抜くポイントを探し、また後ろのクルマにも抜かれないよう、必死で走りました。
水温、油温があがったときは暖房をかけると多少改善される、と決勝前に内藤さんに聞いていたので暖房をかけました。
〜ムァッ〜と、温風です。
ただでさえ暑いハコ車なのに、暖房をかける行為は何かのバツゲームよりたちが悪いです。それで水温が少しでも下がるなら・・・・。
レースも終盤に近づいてきた頃。各コーナーでクルマがよれる感じがするようになりました。
どうやらタイヤがたれてきたようです。前のクルマも立ち上がりのラインが少しづつ、かわってきていたので前のクルマもタイヤがたれてきていることはわかりました。そのタイヤも限界に近づいてきた頃、ブレーキも効かなくなってきました。
ブレーキが効かなくなれば、コーナーのターンインの際、向きを変えづらくなります。
ブレーキバランスを後ろよりにし、リアをロックさせてまがるようにしました。カートはリアにしかブレーキがないため、曲がらないときはリアをロックさせたりします。

これが正しい行為かはわかりませんが本能的にそうしました。
ただ、リアをロックすれば遅くなるので今まで以上に無駄のないよう、慎重にアクセル、ブレーキ、ハンドルのタイミングを合わせて走りました。ほぼ同時期に、最終コーナーの立ち上がりでエンジンがわずかですが、息つくようになりました。


「エンジン壊れるかも・・・・」
確かにスタートでごぼう抜かれし、しかも、なかなか抜けない状況。
この状況でゴールするより、エンジンが壊れてリタイアしたほうがよっぽど楽。
自分のせいじゃないし。
心のなかではそういった葛藤がありました。

でもレース前、深夜遅くまでメンテナンスをしてくれた倉鹿野社長や内藤さん、宮本さんの気持ちを考えると順位よりゴールすることが大事だ、と思いました。
残り3周。タイヤもブレーキも限界。エンジンも水温、油温ともに限界。人間も暖房のせいで限界。もうヘロヘロです。そんなとき最終コーナーでエンジンが一瞬失速。
その後の1コーナーで今まで抑えていたBMWに抜かれました。

残り2周、エンジンの水温、油温をさげるため、ペースを落とし、6位でチェッカーを受けました。

とても悔しい結果でした。
せめて5位は守りたかったレースでした。けど楽しかったです。

というより、見に来てくれた人や、チームの人たちが楽しんでもらえればそれで満足です。プライムワークスの一員としてレースに参加してレースの楽しさはもとより、プライムワークスと一緒にレースに出る楽しさを感じました。

 
今回、参加する機会を与えてくれた倉鹿野社長には大変感謝しています。

また、レース当日のサーキットでわずかな時間でも、汗だくになりながらもマシントラブルをださないよう、クルマの整備をしていた、内藤さん、宮本さんにも大変感謝しています。安心してレースに集中できました。
次回もこのようなチャンスがあれば、また参加したいと思います。ていうか参加させてください!!
そしてアメ車の楽しさを知った僕はもっともっといろんな人に楽しさを知ってもらいたいと思いました。

次回はもっともっとよい結果でおかえししますね!


ドライバー  本間 健介
PHOT GALLARY